2026.09.30
就活セクハラ 学生の26.1%がハラスメントと感じる言動を経験、4割が面接を辞退
この記事の結論:明光ネットワークジャパンが2026年9月28日に公表した「就活セクハラに関する大学生・大学院生・保護者の意識・実態調査」(学生・保護者各500人)で、就職活動の経験がある学生337人のうち26.1%(88人)が、ハラスメントだと感じる言動を経験していたことが分かりました(産経新聞もこの調査を報道)。そのうち42.0%が面接を辞退、39.8%が応募を取りやめ、8.0%が内定を辞退しています。一方、10月1日に企業へ防止措置が義務づけられることを知っている学生は54.2%にとどまります。就活セクハラは学生の問題にとどまらず、企業が選ばれなくなる「採用力の損失」になり得ます。面接の場所・同席者・懇親会のルールを整え、相談先を求職者に伝えることが施行前の実務です。
- 就職活動経験のある学生337人のうち26.1%が、ハラスメントだと感じる言動を経験した。
- 経験した学生の42.0%が面接を辞退し、39.8%が応募を取りやめ、8.0%が内定を辞退した。
- 就職先選びで企業のハラスメント対策を重視する学生は74.6%、保護者は85.6%。義務化を知る学生は54.2%にとどまる。
ニュースの詳細:被害の「その後」に表れた選考辞退
明光ネットワークジャパンは2026年9月28日、大学生・大学院生500人と保護者500人を対象にした調査結果を公表しました。就職先を選ぶ際に企業のハラスメント対策を重視すると答えた割合は、学生で74.6%、保護者で85.6%でした。産経新聞も、この結果を「10月から防止措置義務化」と関連づけて伝えています。
就職活動の経験がある学生337人のうち、26.1%(88人)が、ハラスメントだと感じる言動を経験したと回答しました。その88人のうち、応募を取りやめた人が39.8%、面接を辞退した人が42.0%、内定を辞退した人が8.0%にのぼります。不快な言動が、そのまま企業への応募や選考の離脱につながっている実態が数字に表れています。
不安を感じる場面についても具体的な回答がありました。学生が最も不安に挙げたのは「個室での1対1の面談」で42.9%、保護者が最も心配するのは「飲酒を伴う懇親の場」で64.4%です。また、性的な質問をハラスメントだと認識している割合は学生55.2%、保護者72.4%で、認識にもばらつきがあります。一方、10月1日の義務化を知っているのは学生54.2%、保護者42.6%でした。
調査結果を、採用現場で点検したい論点に置き換えて整理します。
| 調査で示された数字 | 内容 | 採用現場での論点 |
|---|---|---|
| 経験と辞退 | 337人中26.1%が経験。うち面接辞退42.0%、応募の取りやめ39.8%、内定辞退8.0%。 | 不快な言動は「被害」であると同時に、応募者を失う採用上の損失にもなる。 |
| 不安を感じる場面 | 学生は個室での1対1の面談が42.9%。保護者は飲酒を伴う懇親の場が64.4%。 | 面接室の設定、同席者、懇親会・OB/OG訪問のルールを事前に決めておく必要がある。 |
| 義務化の認知 | 義務化を知る学生54.2%、保護者42.6%。 | 方針や相談窓口を、求職者が見つけられる形で示さなければ届かない。 |
協会としての見解:声を上げにくい場面ほど、仕組みで先回りする
私たち一般社団法人クレア人財育英協会は、ハラスメントのない健全な職場環境づくりを推進する立場として、今回の調査が「不快な経験をした学生が黙って離れていく」構図を数字で示した点を重く受け止めています。応募者は「選ばれる側」であり、その場で抗議したり、社内に相談したりすることが難しい立場にあります。その結果、企業が被害を把握できないまま、応募者だけが静かに去っていくことになります。
だからこそ、企業側が先回りして仕組みを示すことが重要です。面接官や受入担当者を責めるための義務化ではありません。何が問題になり得るのか、どこで会い、誰が同席し、困ったときはどこへ相談できるのか。これらを会社が示さないまま個人の判断に委ねる状態こそが、応募者にも社員にも負担になります。10月1日を前に、採用の入口を点検する好機です。
雇用クリーンプランナー(KCP)の視点:採用力を守るために整える3つの仕組み
調査で示された不安の場面をふまえ、施行前に点検したいポイントを整理します。
- 面接・面談の設計を見直す:
個室での1対1を避け、複数名での実施、オープンな場所やオンラインの活用、質問項目の事前確認を運用に落とし込みます。面接官の役割と禁止事項を明文化します。 - 懇親会・OB/OG訪問・SNS連絡のルール化:
飲酒を伴う場や個人のSNSでの連絡は、会社の管理が届きにくい接点です。社員が求職者と接触する際の手順と、会社が経路を把握できる形を決めます。 - 相談先の周知と辞退理由の把握:
求職者向けの相談窓口を採用ページや案内メールに明記し、外部窓口も選択肢に入れます。選考辞退の背景に不快な経験がなかったかを、可能な範囲で確認する仕組みも有効です。
結語:選ばれる企業は、安心して受けられる企業
調査では、就職先選びでハラスメント対策を重視する学生が7割を超えていました。安心して選考を受けられるかどうかは、応募先を決める基準の一つになっています。就活セクハラ対策は、義務であると同時に、採用力そのものを左右するテーマです。
10月1日を「対応を始める日」にするのではなく、面接の場所、同席者、懇親会のルール、相談先という基本を一つずつ確認する日にしてください。小さな確認の積み重ねが、応募者と社員の双方を守ります。
就活セクハラ対策を、採用力を守る体制として整えるために
就活セクハラは、応募者が声を上げにくいため企業に把握されないまま、応募・選考の辞退という形で表れやすい経営リスクです。一般社団法人クレア人財育英協会では、ハラスメント撲滅のための啓蒙活動の一環として、採用面談のルールづくり、求職者向け相談窓口の運用、事実確認と再発防止の体制構築をサポートする専門家「雇用クリーンプランナー(KCP)」の育成と認定を行っています。
「10月1日に向けて面接官への周知と相談窓口を整えたい」「採用の場面ごとにルールを決めたい」とお考えの企業様は、ぜひ当協会の資格認定プログラムをご活用ください。
